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実績ご紹介/スタッフブログ 取扱説明書の原稿を作成するとき気を付ける5つのポイント

取扱説明書の原稿を作成するとき気を付ける5つのポイント

こんにちは、「トリセツ」担当のマルです。

今回は、取扱説明書を制作する前段階、「原稿作成」についてのお話です。
原稿作成は、トリセツ制作業務において、最も難しく経験が必要な工程の一つです。
難しい工程である半面、いかんせん地味であり、ユーザーの目に触れない部分なので、どういったテクニックが使われているのかがわかりにくい部分でもあります。
今回は、僕が取説の原稿を作成する際に心がけていることをご紹介したいと思います。

前提条件として、今回の記事は、テレビ取説制作のワークフローを想定しています。
すなわち、流用元となる取説のデータ(PDFおよび編集用データ)があって、それをもとに新機種の取説を制作する、というワークフローです。

1. 事前資料がある場合、熟読しておく

まず、見積もり段階など制作開始前のタイミングで資料を頂けた場合は、前もって注意深くチェックしておきます。
製品の仕様について正しく理解しておくことで、後の作業がスムーズに進みます。
当たり前の話ではありますが、限られた時間の中で資料を読み込み、必要なポイントを洗い出して理解しておくことは、案外難しいものです。
仕様への理解が不十分な場合、制作の実作業(紙取説ならDTP、HTMLの電子取説ならコーディング)を開始してから「この情報どこに書いてあったかな?」と資料を読み返すことになり、時間のロスが発生してしまうことになります。

2.PDFファイル1つだけを見ればすべての作業ができる状態にしておく

原稿作成をしていると、ベースとなるPDF以外の部分から情報をコピーしたいケースが多々発生します。
一部の文章の修正程度ならPDFに注釈を追加すればよいのですが、イラストや表組など、情報量の多いパーツを原稿に追加したいケースもあります。こういった場合、ついつい「詳細はこの資料を参照」のような書き方で逃げてしまいたくなります。
しかし、これがNG。

確かに、目先の原稿作成の段階では、別資料を参照させた方がラクです。全ての情報を1ファイルのPDFにまとめるには、時間も手間もかかります。
しかし、ここでサボってしまうと後々の作業が非常にやりづらくなります。できたものを自分でチェックする場合でも、「ここだけ別のデータ開かないと…あのデータどこいったかな…」と引用元のデータを探し、「この情報、資料の何ページ目のどこにあったかな…」とまた探すことになります。往々にして、こういった原稿を作らないといけない部分は修正のボリュームも多いため、チェックが1回だけで終わらないことも多くなります。結果的に、2回・3回と同じことを繰り返すことになってしまいます。

セルフチェックすらこれだけ大変なので、第三者にチェックしてもらうのであればもっと大変です。原稿PDF(紙で校正する場合はプリントアウト)だけでなく、引用元の資料も一緒に渡す必要が生じます。どこを流用しているのかも、明確にわかる状態にする必要があります。
多少手間はかかっても、原稿のPDFを1ファイルにまとめておくことで、こういった手間が解消されます。まとめておけば、チェックを頼む相手に取りまとめたPDFを渡すだけで完了です。この差は非常に大きく、時間的にもはじめに苦労して原稿を作った方が、トータルでは時間を節約できます。急がば回れ、です。

PDF原稿のまとめ方ですが、テキストの修正であれば、コピーできるようにPDFの注釈として記載しましょう。PDF注釈の「矢印付きテキストボックス」で記載するのが、見やすくてお勧めです。

詳しくは、コチラの記事をご覧ください。

無料で見やすいPDF原稿作成! Adobe Reader DCに「描画マークアップ」ツールで注釈を追加する方法

また、修正内容にイラストの変更が含まれているなど、テキストにすることが困難な場合は、PDFに画像を貼り付けるのがいいと思います。
画像をスタンプ注釈として貼り付け

3.PDFをテキスト検索する

Adobe ReaderやAcrobatなどのPDF閲覧用ソフトには、テキスト検索の機能があります。
例として、こちらのサンプル取説に対して、「本製品」という表現を「本機」に変更する、という修正が入った場合を想定します。
まず、PDF上で検索を行い、変更の必要がある文字列をピックアップします。
PDFでのテキスト検索は、2種類の方法があります。

「簡易検索」…【Ctrl】+【F】
「高度な検索」…【Ctrl】+【Shift】+【F】

メニューからも選択できます。

取説の原稿作成においては、必ず「高度な検索」機能を使います。
「簡易検索」の場合、後述する様々な機能が使用できません。ウィンドウ右上に小さな検索窓が表示され、ヒットするページの該当箇所を順に表示できるのみです。
「高度な検索」機能を使うと、検索結果が独立したウィンドウに表示されます。

「高度な検索」機能には、以下のようなメリットがあります。

●検索のヒット件数が一目でわかる
●それぞれの結果をクリックすると、表示されているページに飛んで該当箇所がテキスト選択される
●検索結果について、前後の文章が見える
●「完全に一致する語のみ」「大文字と小文字を区別」「しおりを含める」「注釈を含める」という4つのオプションが選択可能

原稿作成の際は、【Ctrl】+【Shift】+【F】のショートカットキーで「高度な検索」ウィンドウを表示し、検索結果をマーキングしながら、修正・変更内容を書き込んでいきます。

紙ベースの原稿を目視でチェックすると、見落としが発生しやすくなります。PDFでのテキスト検索を正しく行うことで、こういった見落としの可能性をゼロに近づけることができます。

4.すべてのデータを残す(紙ベースでしかない情報を残さない)

最近は減りましたが、紙ベースで原稿を管理していた時代は、「紙ベースでしかない情報」というものが残っていました。最近は、これを残さず、すべて日付順でフォルダを作って管理することを徹底しています。
滅多にないケースですが、FAXで修正ご指示を頂いた場合や、紙ベースの原稿をいただいた場合は、すべてスキャンしてPDFデータとして保存しています。
スキャンによるデータ化を必ず行うことで、あとで「この修正指示どこであったかな?」と確認が必要になった場合、容易に該当するデータを探し出すことが可能になります。

5.「確認事項」を取りまとめ、提出用のPDFに注釈を追記する

原稿作成の過程で、制作サイドだけで判断できない「確認事項」が発生するケースは頻繁にあります。

●仕様書の内容によると変わるはずの内容に修正指示が入っていない
●仕様書の記載内容と、クライアントの修正指示内容に矛盾がある

こういった場合は、修正完了後のPDFに、疑問点を記載しています。
PDFの注釈機能では、ハイライト部分やテキストボックス、矢印の色などの見た目を自由に編集できるため、確認事項のみカラー設定を別の色にすると、どこが疑問点なのかクライアントにご確認いただく際にわかりやすくなります。

具体例として、上の画像では
「修正指示」⇒赤色
「確認事項」⇒青色
で記載しています。

ユーザーにとって使いやすいトリセツを制作するにあたって、「原稿作成」はその土台となる、最も大切な工程の一つです。
原稿作成には、実際に手を動かすオペレーターとクライアントの間でスムーズに制作→チェックが進むようにサポートする側面もあります。

確認事項が発生した場合であっても、過去の取説を見ればわかる内容もあれば、クライアントに質問しなければ絶対にわからない部分もあります。こういった内容を素早く仕分けて、確認が必要な部分はクライアントに質問する、必要ない部分は指示内容を補足するなどのフォローを入れることによって、スムーズに制作を進行することができます。

取扱説明書制作についてのお問い合わせはこちら

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#トリセツ#PDF#原稿作成#マル
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