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InDesignを使った参照ページ自動リンクについて

こんにちは、「トリセツ」担当のマルです。

電化製品等の取説は、製品によっては、とても分厚いものもありますよね。
僕が今まで担当した取扱説明書(ペーパー取説)で一番ページ数が多いものはブルーレイディスクレコーダーの取説で、これは300ページ近くありました。
(電子取説はもっとページ数が多く、1000ページ越えのものもありましたが…)

記載内容が多くなると、「自分にとって必要な情報がどこにあるのか?」を素早く見つけられることが重要になります。
代表的な例が、掲載されている単語に対して関連ページを一覧表示する「さくいん」ですね。
また、関連する項目について、
「●●について詳しくは、▲▲ページをご覧ください。」
のように、本文中の関連する項目を参照するケースもあります。

このように、ユーザーにとっての「わかりやすさ」に貢献する参照ページですが、取説を制作するにあたっては、管理が大変です。

何が大変って、この参照ページというものは
「間違えやすい」
「見落としやすい」
んですよね…。

その昔、僕が取説の制作業務をはじめて担当した当時は、

(1)参照ページの変更箇所を目視で洗い出す
(2)プリントアウトした紙の原稿に手書きで修正指示を書き込む
(3)修正後のデータをプリントアウトし、すべて目視でチェック

という手順で、参照ページの含まれた取説を制作していました。
ページ数も200を越えるため、DTP作業とチェックするべき内容のボリュームは膨大なものとなっていきました。

そんなデータ制作環境の中、使用している組版ソフト「InDesign」に「相互参照」という機能が追加されたのが、2008年発売のバージョン「InDesign CS4」からでした。
この「相互参照」という機能を使って、前述のような
「●●について詳しくは、▲▲ページをご覧ください。」
といった表現をするケースで、項目名「●●」や、ページ部分「▲▲」を自動更新することが可能になりました。

弊社で制作させていただいている液晶テレビ「AQUOS」の取扱説明書でも、5年ほど前から、この機能を取り入れたデータ制作が始まりました。
当記事では、こちらの機能を使ったデータの具体的な作成方法をご紹介したいと思います。

サンプルとして、実際にInDesignのデータを作成してみました。

今回は、「故障かな?と思ったら」(トラブルシューティング)ページに、本文への参照リンクを設定してみます。

【詳しくは、●●ページの「本製品の使いかた」をご覧ください。】
という、取説ではよくある文面です。
こちらの文章に、InDesignの相互参照機能を使ってリンクを設定します。
設定は、InDesignメニューの「ウィンドウ」⇒「インタラクティブ」⇒「ハイパーリンク」で表示される「ハイパーリンク」ウィンドウで行います。

「本製品の使いかた」という項目は、現在8ページにあります。

後述のリンク先を設定するため、見出しには「大見出し」という段落スタイルを適用しています。

「故障かな?と思ったら」のページに戻り、参照リンクを設定したい【●●ページの「本製品の使いかた」】というテキストを選択してから、「ハイパーリンク」ウィンドウ下の「新規相互参照を作成」をクリックします。

今回は、リンク先を「段落」とします。(文中のテキストに埋め込んだ「テキストアンカー」をリンク先とすることも可能ですが、今回は割愛します)

リンク先を「段落」とすると、ウィンドウ左に使用中の段落スタイルが表示されるので、「大見出し」を選択します。

ウィンドウ右に「大見出し」の段落スタイルが適用されたテキストの一覧が表示されるので、この中からリンク先となる「本製品の使いかた」を選びます。

以上の手順で、参照リンクが設定されました。

細い赤枠で囲まれている部分が、「相互参照」機能によって自動生成されたテキストです。
では、この参照リンク設定によってできるようになったことを見ていきましょう。

●参照先のタイトルが変わった場合

まず、大見出しのタイトルが変わった場合です。
試しに、8ページのタイトルを下記のように変更してみました。

「本製品の使いかた」⇒「本製品の使用方法」

タイトルを変更した時点で「ハイパーリンク」ウィンドウにビックリマークのアイコンが表示されます。

この時点では、「故障かな?と思ったら」ページにある参照元の文章も変更されていません。
ここで、ハイパーリンクウィンドウ下の更新マーク「相互参照を更新」をクリックすると、文章が更新されます。

※参照元のテキストを更新していない場合は、InDesignのウィンドウ左下に常に表示されている「プリフライト」欄にエラー表示が出るため、リアルタイムでチェックするとともに、最終データでここにエラー表示が無いか確認することが必要になります。
以上で、参照先のテキストを変更した場合の操作は完了となります。

●ページ数が変わった場合

相互参照を設定することで、対象となる項目のページが変わった場合でも、内容を自動的に更新することができます。
試しに、7ページの後に、新規で1ページを挿入してみました。

この操作により、参照先となる「本製品の使用方法」は8ページ⇒9ページに変更となりました。

前述の相互参照が設定されているため、「故障かな?と思ったら」の参照元は、特に何も操作をしなくても、該当する文章中の参照が「9ページ」に変更されました。

このように、いったん正しくリンクを設定すれば、その後どれだけページを並べ替えてもページが自動的に更新されます。
タイトルの変更についても、リアルタイムでエラーが表示されるため、作業時にエラーが出るたびに参照リンクを更新することで、テキストの正しいリンクも保持することができます。

もちろん最初のリンク設定時には作業に時間がかかりますが、その後の校正チェック・メンテナンスを自動化できるため、長期的には大幅な工数削減となります。

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#トリセツ#InDesign#マル
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