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実績ご紹介/スタッフブログ 古い会社案内を読み解くシリーズ①「カタログ類の印刷に就て」

古い会社案内を読み解くシリーズ①「カタログ類の印刷に就て」

以前にご紹介した創業当時の会社案内の内容を読み解いてみたい思いからブログにしてみました。

WEBには標準のフォントが使用されています。指定がない場合は端末のブラウザによって決められますが、近年はWEBサーバ側でフォントを指定して送り出しています。端末によっては旧漢字と今の漢字で違いを表示するものと、置き換えて表示するものがありますが、こちらでは原文のままの旧漢字を上げてみて、置き換わっているかどうかをチェックする挑戦的なブログになります(笑)

当時(1938年頃・82年前)の会社案内には上記写真のように、インデックスで
・カタログ類の印刷に就て
・宣傳印刷物に就て
・商品附屬の印刷物に就て
・事務用品其他全印刷物に就て
・紙器に就て

とありまして、1回目の今回は「カタログ類の印刷に就て」の内容をお届けします。

【上記が該当ページで以下に原文のままを書き出しました】
(赤字)表示しているものは現行の仮名であったり表意漢字にあたります。
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カタログ類の印刷に就て

カタログ製作技法が、一種の學(学)的價(価)値を以て取扱はるゝ迄(わるるまで)に進歩した今日では、其(その)構成の大部分をなす印刷方法も、平面的より立体的に進化し、聰(総)の印刷術の特徴を加味採用せられてを(お)ります。
當社(当社)は現今の印刷術の聰に對(対)する設備を有し、且(かつ)、専門技術の優秀を自信致します。
要するに、カタログの使命が外勤社員の役目よりなし得ざりし過去を急速に進歩して、内勤社員の役も、技術員の役目迄も盡(尽)さしめんとする、今日の時代の要求を、完全に把握して、歐(欧)米の模倣より脫(脱)し創造的な立塲(場)に立つて、不斷(断)の研究と努力を續(続)けて居る一向社をば、貴下のカタログ製作の參(参)謀としてご利用あらん事をお願ひ(い)致します。
無駄を排し、費用を少ふ(う)して、より効果的のものを作らんとせらるゝには、一に其扱ひ方に依て重大な影響のあるものでありますから、最大の威力を發(発)揮出來(来)得る樣(様)、製作前の其考案に充分の御配慮が必要であります。
活字の撰擇(選択)等は言はずもがなで、寫眞(写真)版の粗密と云ふ(いう)事も、其使用紙と繪(絵)の狀(状)彩に關連(関連)して、充分前以て配慮して頂く樣、參考迄に裏面(前頁)に其寫眞版のスクリーンの粗密見本を印刷して置きました。

繪は文よりもお喋りです・・・・・・如何なるカタログにも必ず繪を必要として居る理由がそれで、爲(為)に實(実)物其盡(にんべんに盡)の寫眞繪も必要なら又廣(広)告寫眞と云ふ部類に属する意味の繪も必要で、印刷に取りかゝる前に其媒体の製版がグラビヤかオフセットか網目版かを考へ(え)てをかねばなりません。又單(単)に色彩的な圖(図)案にしても、それが凸版か、木版か、石版か、其他の版にするか、それぞれ(「ぐ」の長い表現)其特徴を吟味して立案の基礎に取り入れて、かゝる事が絕對(絶対)に必要であります。
三色版を應(応)用するには、普通の寫眞版が一色版の繪であるに反して、これは靑、赤、黄の三度刷であることで、即ち如何なる色彩も三原色により成立する原理を簡單に應用したるものであります。

印刷の順序は黄、赤、靑の順として、時にはこれに黑(黒)を刷り重ねることもあります。
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以上が原文です。
(表で示した「カラー製版、印刷」の説明部分は実際にはテーブル組みではなく、縦書きで文字のフローになっています)

【現代風に読み解きますと】

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カタログ類の印刷について

カタログ制作の技術が、重要な役割を担うまでに進歩した今日では、構成の大部分をなす印刷方法も、平面的より立体的に進化し、全ての印刷技術の特徴を採用することが必要となっています。
当社は最新の印刷技術設備を有し、かつ、優秀な技術職員に自信を持っています。
カタログの役割としては外回りの営業のツールであり、内勤社員にとっても役に立つものです。時代の要求を把握して、欧米の真似ではなく創造的な立場で、たゆまぬ研究と努力を続けている一向社は、貴社のカタログ制作のブレーンとしてご利用いただくことをお願いいたします。
無駄をなくし、経費を削減して、より効果的なカタログを作るためには、いちばん影響することなので、最大の威力を発揮できるように、製作前の打ち合わせで充分の配慮が必要です。
フォント選びなどは言うまでもなく、写真版の線数なども、使用する紙と画像の状態に影響しますので、事前打ち合わせで決めさせていただきます。参考までに当ページ裏面(前ページ)に写真版のスクリーン線数見本を印刷しています。

画像は文字より訴求力があります・・・・・・どんなカタログでも必ずデザインを必要としている理由がそれで、現物商品の写真は大事ですが、広告的なイメージ写真も大事です。印刷に取りかかる前に、その媒体の製版がグラビア印刷かオフセット印刷かを考えておかなければなりません。また、カラー画像にしても、それが凸版か、木版か、石版か、其他の版にするか、それぞれその特徴を吟味して、ご提案の基礎に取り入れることが必要です。
三色版(現在のCMY)を応用するには、普通の写真版がモノクロの絵であるに反して、これは三色刷であることで、いかなる色彩も三原色により成立する原理を簡単に応用したものです。

(印刷の原理表)

印刷の順序は黄、赤、青の順として、時にはこれに黒を刷り重ねることもあります。
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とでもなるでしょうか?

ちょっと意訳し過ぎの部分もあると思いますが。
当時はカラー印刷といえども3色印刷が普通だったようです。

原文のページ画像をポップアップから高解像PDFでダウンロードいただけます。

では、次回シリーズ②「宣傳印刷物に就て」をお楽しみに!

お問い合わせはこちらまで!

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