概要・課題
シャープ株式会社さまの液晶テレビ「AQUOS」が発売された2001年から2013年のモデルまで、製品に付属している取扱説明書は紙媒体のみでした。
紙媒体の取扱説明書しかない時代において、そのページ数は200ページ前後と非常に分厚く、エンドユーザーからの問い合わせの多さや印刷コストなど、複数の課題がありました。
2014年以降~2023年現在の現行モデルにおいては、「電子取扱説明書」と、紙媒体の「取扱説明書」の2種類がある機種が大半となっています。※
最近のテレビでは一般的になっている「電子取扱説明書」は、テレビ画面に操作説明などのガイドを表示するものです。
「電子取扱説明書」は、テレビのメニュー画面やリモコンのボタンから表示させることができます。
メニュー画面の操作と同様に、「電子取扱説明書」内でのページ移動などの操作も、テレビのリモコンで行います。
※機種によっては、「電子取扱説明書」の代わりにPCやスマートフォン・タブレットを用いてWeb上で確認する「Web取扱説明書」となっているケースもあります。
紙媒体だけに落とし込むと200ページ前後のボリュームとなってしまう内容を、
- ・紙媒体で説明したい内容→「組み立て」「設置」「接続」「初期設定」「基本的な使いかた」など
- ・電子媒体(画面上)で説明したい内容→「各機能の詳細な説明」「メニュー項目の一覧」など
と切り分けることによって、紙媒体の取扱説明書を40~60ページ程度に削減できました。
ターゲット
クライアント:シャープ株式会社
利用者:液晶テレビ/有機ELテレビ「AQUOS」エンドユーザー
こだわったポイント
2023年現在、現行機種のAQUOSでは、画面上部に「はじめに」「基本的な使いかた」「テレビを見る」などの大見出し、画面左側に各章の中見出しが表示され、リモコンのカーソルボタンおよび決定ボタンで操作してページを移動するというレイアウトになっています。電子取説のデータは基本的にHTML/CSSと画像データで構成されていますが、目次の動きなど一部の動作はJavaScriptで制御されています。
- 「現在表示されているページがわかるように、表示中の見出しの色を変える」
- 「当初は左側だけだった目次を、画面上に大見出し・画面左に中見出しというレイアウトに変更する」
- 「特定のリモコンボタンを押したときに『トップページ』『トラブルシューティング』『索引』など、ユーザーがよく使うページを表示できるようにする」
- 「リモコンのボタン操作で、現在表示中のページを『マイページ』に登録し、『マイページ』一覧から該当ページを表示させる」
など、クライアントのシャープ株式会社さまからも様々な要望があり、弊社内のエンジニアと制作担当者で協力しながら、Webブラウザ上や実機での動作検証・チェックを行い、多くの機能を開発・実装してきました。