古い会社案内を読み解くシリーズ⑤「紙器に就て」

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5回目の今回は「紙器に就て」の内容をお届けします。

古い会社案内を読み解くシリーズ①」に引き続き、創業当時の会社案内の内容を読み解いてみたい思いからのブログです。

当時(1938年頃・82年前)の会社案内インデックス
・カタログ類の印刷に就て
・宣傳印刷物に就て
・商品附屬の印刷物に就て
・事務用品其他全印刷物に就て
・紙器に就て
から、
5回目の今回は「紙器に就て」の内容をお届けします。
【上記が該当ページで以下に原文のままを書き出しました】
(赤字)表示しているものは現行の仮名であったり表意漢字にあたります。
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紙器に就て

紙凾(函=箱)と云ふ名稱(称)が、紙器と云ふ名稱に變(変)(っ)て來(来)たや(よ)うに、其(その)製法も紙から機械的に凾を製作すると云ふ(いう)(だけ)でなく、一歩超て科學(学)的に紙器を製造すると云ふことすら實(実)現して居る今日であります。從(従っ)て紙器製造機械も多種多樣(様)でありますが、又未(いまだ)に人の指先をのみ使用せざるべからざる方法もあつ(っ)て、其製法たるや甚(はなはだ)複雜であります。
謂中(?)、折疊(畳)式函は近時紙器中の流行兒(児)で、取扱上の便なる事、遠隔の地に運搬の可能便利なる事、貯藏(蔵)に容積少なく便利なる事等の爲(為)(じょう)に採用せられて居りますが、これにはトムソン機械に依ることを最も能率良きことゝ(と)されて居ります。
其他上下の蓋を壓搾(あっさく)して胴を流線卷(巻)にする丸筒、丸型長方型四角型凾、各種機械凾、張凾、アンプール保護凾、錠劑(剤)容器、パッキングケース、粉末容器、小引出付凾、各種セット凾等あらゆる紙器の製作に、多年研磨の集積は、必ず、貴下のご期待に添ひ(い)得るの自信を有します。
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流行児(りゅうこうじ)とは「ある一時期に世間で広くもてはやされる人。うれっこ。はやりっこ」
盛に(じょうに)とは「多く。たくさん。また、はなはだ」
壓搾(あっさく)とは「 圧力を加えて,しぼりとること」
「謂中」は不明です。「謂=いう」であり、「所謂=いわゆる」などは熟語として存在します。
【現代風に読み解きますと】
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紙器について

紙箱という名称が、紙器という名称に変わってきたように、その製法も紙で機械的に箱を製作するというだけでなく、一歩超えて科学的に紙器を製造するという事すら実現している今日です。従って紙器製造機械も多種多様ですが、まだ人の指先だけを使用しないわけにはいかない方法もあって、其製法は非常に複雑です。
その中でも、折りたたみ式の箱は近頃の紙器の中で売れっ子で、取り扱いが便利で、長距離の運搬に向いており、保管時に容積を小さくできて便利なため、たくさん採用されていますが、これにはトムソン機械によることを最も能率良いところとされています。
その他、上下のフタを圧縮して胴を流線巻にする円筒、丸形長方形四角形箱、各種機械(家電品)箱、書籍箱、アンプル薬剤保護箱、錠剤容器、パッキングケース、粉末容器、小引出付箱、各種セット箱など、あらゆる紙器製作に長年の技術の蓄積で、必ず皆様のご期待に添えるよう自信を持っています。

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原文のページ画像をポップアップから高解像PDFでダウンロードいただけます。

各インデックスの本文の読み解きは以上です。
次回は、最終のページの「校正記号」〜「慢文」〜「▲」印のお知らせまでを読み解いて、このシリーズ完結させていただきます。

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この記事を書いた人

ターニャPROFILE
グラフィックデザイナーを目指して入った学校ではまだDTPもWEBもない時代。
その後、一向社の制作部に入って数年後に仕事でMacの存在に触れ、会社で初めて使ったツールはMacintosh IIfx(ツーエフエックス)。最初AIのVer.3.0やPSのVer.2.0あたりを必死に学んだ後はなんやかんやで社内では年長者になり、現在もなおツールの進化とアプリの進化にOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)中!(笑)
現在の専門はWEBと映像編集など。
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