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動画編集をするときにつまずく「シーケンス設定」について

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2023年初頭の「ワイドナショー(フジテレビ)」で「2023年大人が挑戦したい習い事」というテーマを紹介しており、男性のランキング1位(21.1%)は「動画編集」で、女性でも5位(10.9%)でした。(ストアカ調べ)

YouTubeに公開されている動画の編集はアプリを使えば比較的簡単にできます。
(Adobe Premire Pro,Final Cut Pro,CapCut,iMovie…など)
しかし、いざ始めようとして「どんなサイズが適しているのか?」「どのレートを使えばいいのか?」の選択で戸惑ってはいませんか?
Adobe Premire Proの場合、まず「プロジェクト」と呼ばれる“作業場”を作成して、次に「シーケンス」と呼ばれる“仕上がりサイズ”を決める必要があます。
「シーケンスを決める」とは、文書ならA4用紙やレターサイズ。絵画ならアートボード、キャンバス、画用紙などのサイズ選択と同様に、動画もどんな大きさで再生したいかのサイズ決めを準備された多数の「シーケンスプリセット」から選択します。

ここでは陥りやすい数字の違いの疑問について解説します。

テレビのアスペクト比は[16:9]が標準

動画の解像度は「HD1080」と表示されることが多く、フルHDで「1920×1080」という表示が一般的です。(以下数値の単位はピクセル)
1080は高さ(hight)の数値になります。なぜ先にくる幅(width)ではないのか?
デジタルサイネージとかスマートフォンでは画面を縦置きすることもあるので、単に短辺を表示したとも言えますが、作成時の長辺は1920という数値で選べない場合があることを後ほど解説いたします。

一昔前のハイビジョンと呼ばれるサイズは、「HD720」と表示されることが多いアスペクト比[16:9]の「1280×720」が一般的でした。(初期の地デジ対応テレビは実際このスペックです)
今でもスマートフォンやタブレットなどの端末サイズでは比較的きれいに見えるので、YouTube用に作成する動画の標準はこのサイズで充分と言っていいと思います。

昔の動画は[4:3]のテレビと映画のシネスコだった

ほぼ1900年代終盤に使われていたブラウン管テレビとかPCモニタ(CRT)のアスペクト比は[4:3]です。
また、動画とは違いますが、画面に映すプレゼン資料などで使用するパワーポイントの「スライドのサイズ」は「標準(4:3)」と「ワイド画面(16:9)」が選べます。
少し前の「Office(多分Windows7以前?)」では、デフォルトが[4:3]だったので、最近に提供された資料がこの比例だと戸惑うことがありました。もちろんあえて「標準」を選択されていることもあるんですが。
この「標準」の解像度は、過去には「VGA」と呼ばれる解像度640×480が初期の主流でしたが、今ではUXGAと呼ばれる「1600×1200」ぐらいが、高解像であえて「標準(4:3)」を選ぶときに用意する画像の最適だと思います。
映画のシネスコとは、昔の映画館の「シネラマスコープ」のことで、主に[2.35:1]といった超横長でした。

少し横道にそれましたが。。

今主流の4Kテレビは「HD1080」の倍寸の「3840×2160」

倍寸ということは、単純計算で面積が4倍になる(TOP画像参照)からと言って、データ量が4倍になるわけではないし、まだまだテレビの4K放送自体がそれほど多くはありませんが、テレビ放送以外の媒体では通信速度が4Gから5Gになるだけで、簡単に4K動画を送れる時代になってきました。だからネット配信会社と契約(サブスク)した方がキレイな動画をたくさん見ることができるのかもしれません。今やテレビ受動機は地上波や衛星放送を観るだけのものではなくなっています。

また少し横道にそれますが。。
ちなみに通信とは別のデジタル媒体で、DVDの品質はSDと呼ばれるもので「720×480」です。
フルHDと比べたら単純計算で6分の1のデータサイズです。
(TOPの画像はおそらくヨーロッパのものなので、PAL方式の576となっています。日本ではNTSC方式の480です)

Blu-rayディスクに入っている動画の解像度は「1920×1080」なので、ハイビジョンテレビに適合するのはDVDではない言えますが、4Kで適合する動画を見たい場合はさらにハイスペックのBlu-rayディスクを買う必要があります。

縦480に対する横のピクセル数は[16:9]なら852では?

なぜDVDのアスペクト比の数値は正確な[16:9]ではないのでしょうか?
DVDのピクセル表記は720×480ですが、実際には「852*×480(縦横比1:1の正方形ピクセルの場合)」が正確な比例になります。(*852〜854…割り切れないため誤差があります)
DVD再生機種の技術によって自動的に縦横比[1:1.2121]のピクセルの表示を擬似的に[1:1]にさせることができ、幅720のデータであっても852相当に表示します。

さて、この辺からが本題です。

フルHDのサイズも同様に実際には「1920×1080(正方形ピクセル)」ですが、再生機種のアナモルフィックという技術によって、自動的に縦横比[1:1.333]の表示をさせることができるので、「HD1080」のビデオ設定のフレームサイズは縦1080に対して横1920ではなく1440、シーケンスプリセットでは「1440×1080」とされています。

「1440×1080」で作ったものを「1920×1080」で再生

デジタル動画は「1440×1080」で作成されたデータを「1920×1080」で再生するという方式になっています。

そのデータの縦の数値1080は変わらないので「HD1080」と呼ばれています。
正方形ピクセルよりも軽いデータで作成できてほぼ同じ解像度で見ることができ、大概の機種はこの差を自動補正できるので、数字の差に疑問が出ても問題はないのです。(私見も含まれています)
たまに[4:3]の古い動画がYouTubeに上がっている場合、横長に扁平した映像だったりすることがあります。多分ですが元の動画がDVDで自動補正しない方式で書き出してしまっているからだと思います。その場合は、動画編集ソフトで画角を補正して再度エンコードすれば正しい画角になります。

YouTubeならHD720を、テレビ以上の配信動画ならHD1080を

解説が前後しましたが、Adobe Premire Proで編集するとき、最初にプロジェクトを作成してから次に選ぶ「シーケンスプリセット」は、「HDV 1080p30」で大丈夫です。
解像度の鮮明さよりもサクサク編集して、サクサク書き出して、早くアップロードしたいなら、そこそこの品質の「DHV 720p30」でも大丈夫です。
画面の中にゆっくり読ませたい細かい文字とかがなければ、さほど違和感も感じずに観ることができるので、賢明なYouTuberはこれを使っていることが多いと思います。動画制作は容量と時間を費やします。ディレクターは「大は小を兼ねる」という考え方で指示を出しがちですが、使用頻度、品質、媒体を考えれば、オペレーターにとっては保存容量の無駄だったり、制作時間の無駄だったりしていることが大いにあると言えます。(私見)

「HDV 1080p30」の後に付く「30」はフレームレートです。
実際には29.97fps(フレーム/秒)ですが、(ほぼ)30と表記しています。
他に「DHV 1080p25」と「DHV 1080p24」が選べます。
昔の動画撮影フィルムカメラ、映写機のスペックは24fpsなので、フィルム1コマに対して1フレームにする時に選ぶ設定になります。デジタルリマスターと呼ばれるフィルム映画をデジタル化する時、フレームレートをこれにすれば時間差が最小限になります。(動画と音声がずれる場合はフレームレートに原因があることが多い)

以上、実際に編集ソフトを触ることがなければ、面倒くさい数字ばかりですが、「なんで?」と思ったことであり、検索してもなかなか「知恵袋」レベルでしか出てこないことから、調査して私見も含めてもっともらしく記してみました。笑

とくに検索の「強調スニペット」狙いではありませんw
ご指摘は謙虚に捉え、今後改修していきます!

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ターニャ
WEB担当
グラフィックデザイナーを目指して入った学校ではまだDTPもWEBもない時代。 その後、一向社の制作部に入って数年後に仕事でMacの存在に触れ、会社で初めて使ったツールはMacintosh IIfx(ツーエフエックス)。最初[Ai]のVer.3.0や[Ps]のVer.2.0あたりを必死に学んだ後はなんやかんやで社内では年長者になり、現在もなおツールの進化とアプリの進化にOJT(実務をしながら道具を吸収)中!…現在の専門はWEBと映像編集など。

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